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高密度堆積物調査

高密度堆積物調査は、土試料中に含まれる微化石や種々の含有物を観察し、それを識別・同定するとともに準定量的に整理することで、地層を対比するための基礎的資料を得るために行うものです。断層の有無の確認や急傾斜した地層の地域での調査に適しています。

土試料中に含まれるものには、肉眼で直接観察できるものと顕微鏡の助けを借りないと観察できないものがあります。前者は大型化石、後者は微化石と呼ばれます。 このうち微化石には、海生微化石として有孔虫,貝殻片,貝形虫,ウニなどがあり、微小鉱物としては火山ガラス,黄鉄鉱などがあります。

左図のような調査結果が得られた場合、推定断面図としてはCase-1~Case-3が考えられます。

高密度堆積物調査を実施した結果、海成粘土層と淡水成粘土層を区別することができ、火山ガラスの連続性からも、Case-3が正しいことが判りました。

また、微化石としての珪藻は、珪質の殻をもつ単細胞の植物プランクトンの一種で、主に河川や湖沼などの淡水域と河口、沿海、外洋などの汽水もしくは海水域に生息します。したがって、抽出された珪藻化石によって堆積物生成当時の水域の環境を復元することができます。

さらに火山ガラスでは、その屈折率などを測定することで広域的に地層を同定することもできます。これは、ある時期に同一の火山によって堆積した火山灰層は、同一の火山マグマを起源とするものであり、その鉱物学的・岩石学的性質は広範囲に高い類似性を示す特徴を利用しています。

高密度堆積物調査は、標準貫入試験機で採取したような僅かな土試料で調査を行うことが可能で、試料が残っていれば採取時期を問わず、迅速に結果で出ます。